LEGON鶴見辰吾 Shingo.Tsurumi ブログ 自転車名人
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2010.11.16
ツール・ド・おきなわ2010の余韻

 来年はこうしよう、ああしようと夢を膨らませているうちに、あっという間に今年のツール・ド・おきなわが終わってしまった。ほんとうに夢のような時間だった。生きていることに感謝できる濃密な時間。それが、国内ホビーレースの最高峰といわれるおきなわの魅力なのだ。

 

出場する誰もが気になったのは、あらためて10km延長されて、さらにタフになったコースの内容と、当日の天気だったに違いない。金曜日の夜沖縄入りした我々夫婦は、大会前日の土曜日早朝から、車で市民210kmのコースを下見に行った。車でまわっても4時間半。濡れている路面は、MERRELのスニーカーでもツルツル滑ってくれる。そして何より後半200km地点まで続く容赦のない登りが、運転している私に大きく息をつかせてくれる。この下見をしなかったら、ギアを50−34×25−12で行くつもりだったが、変更して28のワイドレシオにすることにした。

 

この日、朝方はどうにか降らずにいたものの、昼前から大粒の雨が降り出してしまった。今年から、地域振興と自転車競技の普及を目的に、市民クリテリウムが名護の中心地の周回コースを使って行われる。私もエントリーしていたが、翌日の210kmに主眼をおく身としては、雨の市街地コースで落車してもよくないと考え、出場を取りやめに受付まで足を運んだ。twitterでもクリテリウムはやめたとつぶやいて、DNF宣言をしたものの、いざ受付前に立つと、出場選手リストにある自分の名前が車番1になっているのが目に入ってきて、思い直した。初めての種目に栄えある1番もらってその選手が出ていないなんて、しまらないぞ。「迷ったら走る」これは昨年、土砂降りの佐渡ロングライドをDNSして、後悔したときに決めた言葉だった。よし、出りゃなんとかなるさ。出場を表明し14:00のスタートを待つことにした。

 

雨脚はちっとも弱まらず、むしろ強くなっていく。少しでも濡れたくない、安全に走りたいと思う私は、レインウェアを着て、雨用登山のグローブに、泥よけのフェンダーを付けて走ったが、これはカッコ悪いといろんな人から不評だった。

 

雨の中22人が出走、11人がゴールして、私は10位だった。一人コーナーでスリップして転倒したが、大きな怪我にはならずに済んだようだ。瞬く間に終わった15km。順位はともかく走ってよかった。沿道から、LEGONの仲間や、多くの方から声援をもらって嬉しかった。雨のなかレーススピードで走って気合いが入った。コーナリングのグリップ感、ブレーキの効き具合が把握できて、翌日が雨でもいける気がしてきた。「迷ったら走れ」は間違っていなかったようだ。

  

 

  

 

 

 

 

 

 


11月14日大会当日の朝、天気予報は二転三転したが、雨はあがって路面も乾いていた。空には少し晴れ間も出ている。よかった。スタートを待っている間に濡れずに済んだ。今年からスタートゴールは、名護の商店街がある「まちなか」になった。自転車レースをするには、昨年までの国道沿いの方が良かったという声もあるが、地元の協力のもと行われる大きなイベントなので、地域振興に結びつく「まちなか」開催は建設的な変更に思える。6:45男子チャンピオン210kmのスタートを皮切りに、50kmレースが、中学生、シニア、市民レディース、市民ロードレース、と続き、我々の市民210kmは7:45のスタートした。

  

シクロワーヤード綾野さん撮影 

 

大通りにでるまでは、先導車の後でパレード走行。落ち着いた出だしになる。ウォーミングアップはしなかった。前半に平坦は道が続くので、集団の中にいれば心拍145くらいで44km/hの走りができるからだ。去年は、この平坦部分で180以上いってたから、かなり慣れてきたようだ。

 

どれだけ気を付けていても落車がある。今帰仁あたりの下り右カーブで、一台外側に飛び出して、ホィールが宙に跳ね上がるのと同時に人間が用水路の欄干を飛び越えて真っ逆さまに落ちて行くのが見えた。おぞましい光景だったが、後で本人に会って、肘の擦り傷だけで済んだのを知ってホッとした。

 

後半の登り下りを考えるとキャパシティの少ない私の脚は、なるべく温存しておきたい。去年のように、嬉し漕ぎして先頭に出るようなことはするまいと思っていたのに、シクロワイヤードの綾野さんや、サイスポの取材をしている大前さんのバイクを見つけると、一緒に走ってたラテさんと一緒に前に出てちゃっかりカメラに収まった。なるしまの小畑さん(2位)、失礼しました。

  

 シクロワーヤード綾野さん撮影

皆と走れたのはここまで。最初の普久川ダムに向かう登り7kmで一気に大勢に抜かれる。登りに入った途端転倒も続発。脚の差が出るところだから、車列が詰まってしまうのだ。昨年もここからをいかに克服するかを痛感させられたが、今回も思いは同じ。後半のスタミナを気にせずガンガンいける脚になりたい。


ここを上りきったところに最初の補給ポイントがある。「水!」、「スポーツ!」、「スポーツ!」、「水!」と二種類のドリンクをボランティアの人が渡してくれる。自分の空になったボトルは捨てられる。ありがたい話だ。人気なのは「スポーツ」の方。場所によっては、「もうスポーツない。水だけ!」というところもあって、やむなく水のボトルを受け取るが、補給ポイントの終わりかけのところで、「スポーツ」があって、水のボトルを受け取ってしまって後悔する選手もいたりする。水でも何でももらっておかないともっと大変なことになるから、皆必死だ。


登りきっていい集団に入りたいが、なかなか追いつかない。後から来る8人ほどの集団に入ってしばらく走り前集団に合流して落ち着く。今回は、この集団でゴールまでともにすることになった。脚のレベルが揃っているから、2度目の普久川の登りも協力体制で一緒に走って行く。高江あたりで、いつの間にか先に行っていたラテさんに追いつき、その後ゴールまで一緒。


慶佐次付近で土砂降りの雨になってきた。やっぱり降られたか。ロードレースは人生の縮図のようなところがある。山あり谷あり、ときには雨が降ることだってある。ゴールが降ってなきゃ、それでじゅうぶんだ。そう思うと、そんな過酷な状況さえ楽しめる。私の人生そのものは今どんな道を進んでいるのだろう?登りか?下りか?苦しくても登りがいいな。


10km伸びてさらに登りが増えた今年の市民210km。各関門をともに通過した選手達は戦友だ。あなた達と走れて本当によかった。生きる喜びを感じられた。そして、大会を支えてくださった関係者の皆様に感謝します。ありがとうございました。

 シクロワーヤード綾野さん撮影

 

記録 6:07:43.633

 

順位 第158位

 

ゴール後は一年で一番幸せな瞬間。これで、年が越せる・・・

 



 

 

 



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